いちみや皮フ科クリニック スタッフブログ

アトピー性皮膚炎の方への治療薬 ⦇ デュピクセント ⦈

2022.05.05

こんにちは看護師の荒川です*ˊᵕˋ
GWも中盤に入り、風が心地よい季節になりましたね。.:*・゚

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今回は難治性のアトピー性皮膚炎の方への治療薬である、デュピクセントについてのお話をさせてください。

デュピクセントとは、2018年に解禁された、比較的新しいアトピー性皮膚炎治療薬です。
これまでのステロイド外用薬などによる治療だけでは、なかなか効果が出なかった、中等症以上の方で、15歳以上であること、診察により医師の判断が必要など、いくつか適応条件があります。

副作用としては、注射部位の腫れや痒み、まれにアレルギー性結膜炎などを起こすなどが報告されています。

デュピクセントは、デュピルマブ(Il-4/13受容体拮抗薬)という生物学的製剤で、2週間に1回、皮下注射することにより治療を行っていきます。
(デュピクセントのみの使用ではなく、必ず外用薬も併用していただきます。)

かゆみや炎症をともなうアトピー性皮膚炎の多くは、「IL-4」と「IL-13」というたんぱく質が原因となって発生するものと考えられています。
IL-4とIL-13は、人間が本来持っているバリア機能を低下させ、さまざまな刺激やストレスに弱くなります。

そのためお肌も紫外線、汗、アレルギー物質などの刺激を受けやすくなり、かゆみや痛み、ただれなどを起こしてしまいます。
デュピクセントはこれらのたんぱく質を抑制することでかゆみなどを抑え、アトピー性皮膚炎を改善へ導きます。

またデュピクセントはこのIL-4、IL-13が分泌する大もととなるTh2というリンパ球にも働きかけることでIL-4、IL-13を抑えることにつながり、症状が改善していきます。

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デュピクセントが開始されることになりましたら、初回と2回目の皮下注射投与は、クリニックで私たちスタッフが注射方法をお教えしながら実施し、それ以降はご自宅で自己注射をしていただきます。(ご自身での投与が難しい方にはご家族に指導をすることも可能です)

デュピクセントは生物学的製剤のため、保険適応でも高額な医療費となります。高額療養費制度を使用することもできますので、これまでのアトピー性皮膚炎治療でなかなか改善が見られずお困りの方がいらっしゃいましたら、まずはご相談にお越しくださいませ✧✧

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